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私たちが神様を信じればすべてが思いのままで、何の苦難もないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。神様は私たちが信仰の中で成長することを望んでおられます。私たちの目の前に苦難が立ちはだかるたびに、これを信仰の力で、神様の力を頼って勝利することを望んでおられるのです。
エジプトを脱出した民が荒野で神様を恨みます。モーセを恨みます。すると神様は民に『燃える蛇』を送り、かみつかせて多くの死者が出たと記されています。元々荒野には『燃える蛇』が存在したと言います。しかし、それまでは神様が守って下さったから民たちが無事でいられたのですが、神様がその『燃える蛇』を送られたがためにこのような被害を受けたのです。
民たちは自分たちの過ちを悔い改め、神様にお祈りを捧げてこの『燃える蛇』による傷を治して下さるように願いました。そこで、神様はモーセに『燃える蛇』をかたどった『青銅の蛇』をつくらせ、旗ざおの上につけて、かまれた者がそれを仰ぎ見れば生きると言われました。それで、その通りにすると本当に傷が癒されたというのです。
ここで、旗ざおの上につけたとありますが、木の上につけるというのは、裁きを受けたという意味もあります。つまり、木の上につけられた『燃える蛇』を見たというのは、神様の力で病の源である『青銅の蛇』が裁きを受けたということを信じるということです。私たちの中にある病、私たちの中にある罪、私たちの中にある不義、私たちの中にある汚(けが)れの全てが木の上につけられ裁きを受けたということを信じることなのであります。
私たちの全ての罪を私たちに代わって木の上につけられた方がまさしくイエス様です。だからこそ私たちは荒野で『燃える蛇』にかまれた民が木の上にかけられた『青銅の蛇』を仰ぎ見たように、私たちが病に悩まされ、苦しみに悶(もだ)えるとき、まさしく十字架にかけられたイエス様を仰ぎ見なければならないのです。
私たちが苦しみを受ける理由はありません。私たちが懲らしめを受ける理由などありません。私たちが病に冒される理由もありません。なぜなら、イエス様が私たちの代わりに、私たちが受けるべき懲らしめを受け、私たちが受けるべき苦しみをすべて受け、私たちが受けるべき辱(はずかし)めをすべて受けてくださったからです。
私たちはそれを信じて十字架を仰ぎ見ればいいのです。イエス様がかけられた十字架だけを頼ればいいのです。
病の中におられますか。苦しみの中におられますか。挫折の中におられますか。うつむいた顔を上げましょう。そして、仰ぎ見なければなりません。主の十字架を仰ぎ見なければなりません。昨日も今日も同じである救い主イエス様を仰ぎ見なければなりません。それによってその病から、その苦しみから解き放たれ、ついには牛舎から解放された子牛のようにはね回り、鷲(わし)のごとく羽ばたく皆様であらんことをお祈りいたします。
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